千代田区 税理士 会社設立税務 佐藤春男税理士事務所

粋な税制改正があった・・。

粋な税制改正があった・・。

基礎控除額が変わった。

今年の所得税法の改正のうち、基礎控除額が変わった。

 

所得税の基礎控除と言えば確定申告をした経験がある人でも控除するのが当たり前・・と、思っているかもしれない。

 

年末調整を受けて終わりのサラリーマンなら・・。

基礎控除のことを知らない場合もあるかもしれない。

 

平成31年分「暦年課税でその年1/1から12/31まで」の所得税法の適用は現行の38万円で、誰でも同額だ。

これが32年分からは次のように適用される。

 

① 合計所得金額が2,400万円以下である個人・・・・48万円

② 合計所得金額が2,400万円を超え2,450万円以下である個人・・・32万円

③ 合計所得金額が2,450万円を超え2,500万円以下である個人・・・16万円

④ 合計所得金額が2,500万円を超える個人は・・・0円(基礎控除なし)

 

今まで、誰でも申告する人は一律条件なしで38万円が所得金額から所得控除されていた。

 

まさしく“基礎”控除だった。

 

所得税法は超過累進税率だから控除額が同一の場合、今までは10%の税率適用者なら38万円の10%38,000円所得税が減少んするのに対し、所得税率が30%適用者だと38万円の30%114,000円所得税が減少できた。

 

これが基礎控除額が逓減するため、10%の税率適用者は48,000万円の10%で48,000円の所得税軽減。30%税率適用者は基礎控除額160,000円の30%で48,000円の所得税が軽減される。

減少税額がほぼ均等に設計されている。

この改正は『赤ひげ先生』が行ったものかとおもった。

いやいや大岡裁きだろう・・。という他人もいた。

 

そもそも所得税や個人の住民税に基礎控除を設けていたのかと言えば、その納税者本人や配偶者・扶養親族の最低限の生活を維持するために必要な収入を得る趣旨で昭和22年に創設された。

 

生存権を規定した憲法25条の規定に基づく制度でもある。

 

昭和22年に創られてから不定期で控除額を増額してきた。

近年では平成7年に現行の38万円に改定された。

 

今回の改正では10万円の増額としたが、一方で基礎控除額の逓減を設けたことにより、高額所得者には増税し、低所得者には減税となるようにしたことが、粋な計らいと思いたい。

 

なお、平成32年からは給与所得者の金額の計算上控除する「給与所得控除」、公的年金に係る雑所得の金額の計算上控除する「年金控除」の金額が減額されます。

実質増税というべきか・・。

 

現行のまま所得税の基礎控除を適用すると大体2兆円の税額が国庫に入らないともいわれていることを考えると、今回の改正は増税ありき感が払しょくされにくい・・。

 

 

税理士・コンサル 佐藤春男

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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