「会計が分からんで経営ができるのか」と、言ったのは稲盛和夫さん・・・
「会計が分からんで経営ができるのか」と、言ったのは稲盛和夫さん・・・
稲盛和夫さんといえば知らぬ人はいないだろう・・
特に思い出されるのが、倒産寸前までになった“日航”の再建に尽力した人だ・・
とかく倒産する会社は、組織が悪いとか・・
親方日の丸だから・・
倒産なんて想像するだけ無駄・・・
誰かが立て直すか・・
最後は国が税金で・・・
などなど根拠のない“うわごと”が立つものだ・・・
それでは、会計が分かれば経営が安泰か???
それは間違いない・・・その通りだと思う・・
しかし、会計が分かっていても経営につまずくことだってあるだろう・・
と、お考えの御仁は「会計や経営」の定義が分かっていない・・だけのことだ・・
会計では費用対効果が求められる・・・それを経営に生かすことだ・・
効果のない費用は、簡単に言えば“無駄”と言うことだ・・
仕入れた商品の代金は、その商品を必要とするお客様がその商品を購入すことによって、売り上げと売り上げ原価という関係が成立する・・
だから無駄ではない・・
日航再建の時の一例だけ取り上げると、整備時に使う“軍手”を一回の整備ごとに廃棄していたそうだ・・
軍手がボロボロになって使えないものなら廃棄するのが正しい・・
しかし、まだまだ使える軍手を廃棄してしまうのは無駄・・
年間に使用するその買い入れ代金を計算したことがあっただろうか・・・
現場に限らず、その部門のエライサンたちは・・・
これは会計を知らないから経営を水平に飛ばすことができないことだ・・・
身近な事例で見よう・・・
サラリーマン・・給料は預金口座に振り込み・・(これが普通だろう)
生活費で引き出すのはコンビニのATM・・
何のためらいもなく・・引出し手数料を自前で払って・・自己のカネを引き出す・・
住まいから遠隔地に所在する銀行支店に自分の口座を持っていると、先のようなことがあるだろう・・
しかし、住まいが変わったのなら住所地に近い銀行の支店で預金口座を開設していれば・・
その支店のATMで自分の口座から預金を引き出しても手数料はかからない・・・
あるいは、会社の近くの銀行の支店に預金口座を開設すればよいだけの話・・
だから、手数料なしで引出しができるだろう・・
この手数料、仮に110円としても月に10回なら1,100円1年間で13,200円だ・・
この金で自己の研修や図書費に費やしたら・・
とは考えないのか・・
この無駄を何のためらいもなく普通だと考えるようでは経営者になれない・・・
年間13,200円の手数料を銀行の普通預金の利息で稼ぐとすれば、預けておく預金残高はいかほどか・・
計算してみることだ・・
自分の金の管理もおぼつかないでは会社の経営すら任せられることはない・・
だいたい出世できる人というのは、自分(自分の所属する課)の成績ばかり見ているヒトではない。
会社(自分の所属する課以外にも)全体を見る{俯瞰の目}を持っているものが昇進するものだ・・
会計とか経営の言葉を再度見直していただけたら幸いに思う・・
税理士 佐藤春男